TOPICS

2021.09.24

自治体のスタートアップ支援担当者たちが語る、地域のスタートアップエコシステム育成への取り組み

先日、経済産業省のJ-Startupプログラムの一環である定例イベント「J-Startup Hour」第96回が開催され、京都府、福岡市、つくば市、渋谷区のの担当者が「地域の特色を活かしたスタートアップ支援の実態」というテーマでプレゼンテーションをおこない、それぞれの地域の取り組みとこれまでに得られた知見を共有しました。渋谷区からは、Shibuya Startup Support(SSS)メンバーで、グローバル拠点都市推進室主事である佐藤凱(さとう がい)が登壇しました。

シリコンバレーのスタートアップエコシステムの特徴の1つは、地理的・文化的要因によって自然発生的に生まれコミュニティとともに成長しており、自治体による介入はほとんどありません。同じアメリカでも対照的なのはニューヨーク市で、こちらは強力なリーダーシップの元、市が積極的にヒト、カネ、モノを投入してスタートアップ企業の育成や招致をおこなっています。スタートアップ文化がまだ広く根付いてはおらず、起業の障壁も数多い日本におけるスタートアップエコシステムの育成は、前者を理想としながらも、民間の自助努力を活かしつつ政府・自治体が要所要所で介入と支援を進める、後者に近いものとなります。

スタートアップ支援における官のサポートとひとくちに言っても、政策レベルのものから行政地区レベルのものまでさまざまです。2018年に経済産業省がスタートした国策「J-Startup」は、全国約1万のスタートアップの中から「J-Startup企業」を選定し、、官民で形成される全国規模のコミュニティからのサポートを集中的に提供する支援プログラムです。一方で、自治体レベルのスタートアップ支援プログラムには、各地域の特色を活かしつつ顔の見える距離でコミュニティと接するような、臨機応変なサポートが求められ、これが各自治体の担当者の腕の見せ所となっています。

本イベントでは、各自治体担当者が地域の強みを活かした施策をプレゼンする中、佐藤からは渋谷区独自の取り組みとして、バイリンガルの情報発信サイト(SSS)やワンストップサービスStartup Welcome Service(SWS) といった海外スタートアップ向け支援、ならびに名だたる起業家たちがサポートする、渋谷ならではの育成プログラムShibuya Startup University(SSU)などの紹介がありました。

プレゼン後のディスカッションでは、地域のスタートアップ支援においては民間の自助努力を尊重し邪魔をしないこと、担当者が常に手の届く場所にいること、首長の強力なリーダーシップのもと現場が自由に動けることが重要である、という点で意見の一致を見ました。

J-Startup Hour第96回「地域の特色を活かしたスタートアップ支援の実態」(2021年8月5日)
スピーカー(登壇順):
安達雅浩氏(京都府商工労働観光部ものづくり振興課スタートアップ支援担当参事)
佐藤凱(渋谷区 グローバル拠点都市推進室 主事)
田中顕治氏(福岡市 創業支援課 課長)
森祐介氏(つくば市 政策イノベーション部 部長)
モデレーター:石井芳明氏(経済産業省 新規事業創造推進室 室長)

※このセッションは、起業家やイノベーターのコミュニティVenture Café Tokyoが主催するネットワーキングイベント「Thursday Gathering」の1コマとして実施されました
※イベントのアーカイブ動画はYouTubeでご覧いただけます。

PAGE TOP